自社製品が進出する市場の全体規模を推測し、目標を設定する。このステップは生産計画、資金計画、雇用計画などの企画の作成にとっては必要なものである。このほか、市場の変化を絶えず測定し、生命周期を分析することも流通販売計画の作成に非常に有利である。また、開発段階の新製品の市場規模推定はこの市場に入るか否かを決める決定的な指標として使用することができる。
一、市場規模の測定 通常、製品あるいはサービスの市場規模の推定は下記の角度から考えることができる。 ・出荷量:会社の製品出荷量は会社の内部資料から得ることができる。ただし、ライバルの出荷量は同業者情報などの資料から推測しなければならない。 ・販売量:小売業者の販売量は小売業者の固定サンプル調査から推測することができる。小売業者の固定サンプル調査は全体市場、自社およびライバルの製品販売量のほか、市場シェア、販売店およびディーラーの数量あるいは比率などの情報を推測することができる。 ・購買量:ユーザーの購買量はユーザーの固定サンプル調査から取得することができる。小売業者の固定サンプル調査同様、自社およびライバルの製品の購買量およびシェアを推測することができる。このほか、ユーザー固定サンプル調査から購買(家庭)率、購入者(ユーザー)などの重要な指標を取得することができる。 ・潜在市場規模:現在および将来のある期間内に特定商品の販売量がどれくらいになるか(潜在+現在存在)を指す。定義の方法は下記のとおりである。 (1)最大値:その産業全体の最大の販売可能量。 (2)最小値:購買可能な推定顧客数。 二、市場規模の推定方法 ・専門家座談会 専門家座談会はデルフィー法(Delphi Technique)とも言われ、1960年代初期にアメリカのランド研究所の専門家が集団ディスカッションに存在する権威への服従又は多数への盲従の欠陥を避けるために提出した一種の定性予測方法である。メンバー間の相互影響をなくすため、参加する専門家はお互いを良く知らず、匿名の方式で繰り返し意見を求められ、また背中合わせの交流を行って、専門家の知恵、知識と経験を充分に発揮して最後に群体の意思を反映する予測結果をまとめることである。 ・時間序列分析 時間序列は同じ現象が異なる時間に相次いで観察された値を並べて得られた一組の数字序列を指す。時間序列予測方法の基本的な考えはある現象の将来の変化を予測する場合、当該現象の過去の行動を通じて将来を予測することである。すなわち、時間序列の歴史データを通じてある現象が時間に応じて変化する法則を指摘し、これらの法則を将来にまで延長させ、その現象の将来を予測することである。 時間序列法の方法の一つは一つの時間序列の数値変動をいくつかの構成部分に分けることである。通常は下記のように分ける。 (1)傾向変動、長期趨勢変動Tとも言う。 (2)循環変動、周期変動Cとも言う。 (3)季節変動、すなわち毎年規則的に繰り返し変動することS。 (4)不規則変動、無作為変動Iなどとも言う。 それからこの四つの構成部分を総括し、予測結果を取得する。 時間序列予測法は重要な予測方法の一つで、その予測モデルは比較的に簡単で、資料に対する要求も簡単である。変数自体の歴史データのみを必要とする。そのため、実際状況では広範な適用性がある。 このモデルはSAMI/Burke Marketing Researchが1978年に開発したもので、新製品の販売状況予測( New Product Sales volume forecasting )に使われ、調査データを分析の基礎として使用する。 このモデルはユーザーが新製品を知らない( Unaware )から知っている( Aware )、その製品を使ってみる( Trail )、最後に繰り返しその製品を購入および使用する( Repeat )までのプロセスを描写している。そのため、このモデルを使って新製品の販売状況を予測する際、キーポイントはユーザーがその製品を知っているから試すまでの確率と試すから繰り返し購入と使用するまでの確立を推測することである。 ・Logitモデル Logitモデルは事件の発生確率が標準Logisticの累積確立分布関数に服従すると仮定し、その基本形式と一般的な線形回帰の形式が同じで、変数(被解釈変数)Yが線形回帰の要求する連続変形ではなく、正規分布にも服従せず、二分類(Dichotomous)変数に属する場合、例えば事件が発生するかどうか、ある範疇に属するかどうかなど、そのモデルをバイナリロジットモデル(Binary Logit Model)と言う。あるいは多分類(Polytomous)変数で、例えば、どの範疇に属するか、順番を決めるスケール(例えば満足、一般、不満)など、そのモデルは多項ロジットモデル(Multinomial Logit Model)である。 ・コンジョイント分析 マーケティング研究でよく遭遇する問題は、研究する製品あるいはサービスの中で、どんな属性を持つ製品が最もユーザーに好まれ、どのタイプのユーザーが製品あるいはサービスのどの属性に最も興味があるか、すなわち、製品又はサービスの異なる属性のユーザーに対する重要度である。コンジョイント分析はこれらの問題に焦点を絞って生まれた分析方法である。 コンジョイント分析方法の基本的な考え方は、ユーザーに異なる属性レベルを組み合わせた製品を提供し、ユーザーに心理的に判断させ、その願望の度合いに従って製品組み合わせに対し点数をつけて順番を並べ、それから樹立分析方法で各属性レベルに値をつけ、評価結果とユーザーの点数がなるべく一致するようにし、それを以ってユーザーの選択行為を分析研究することである。 マーケティングにおいて、コンジョイント分析は下記の方面に使用される。 1)各種属性がユーザーのブランド(製品)選択における相対的な重要性を決める。 2)異なる属性レベルの市場シェアを推測する。 3)最も歓迎されるブランドの属性レベル組み合わせを確定する。 4)ユーザーの属性レベルに対する好み度の類似性に基づいて市場分類を行う。 このほか、コンジョイント分析は新製品コンセプト識別、競争力分析、価格戦略、市場細分、広告研究などの分野に使用することもできる。 |