香港 リサーチ
最新のお知らせ
 
2014年3月 ジェトロより弊社レポート◎各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策 が発行されました 2014年3月 ジェトロより弊社レポート◎各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策 が発行されました
2013年11月 中国ビジネスヘッドラインとの相互リンク 2013年11月 中国ビジネスヘッドラインとの相互リンク
2012年10月 模倣品関連記事 取材されました。 2012年10月 模倣品関連記事 取材されました。
2012年4月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 中国知的財産権最新ニュースの傾向 2012年4月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 中国知的財産権最新ニュースの傾向
2012年2月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 中国知的財産権最新ニュースの傾向 2012年2月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 中国知的財産権最新ニュースの傾向
2011年12月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 一筋縄ではいかない営業秘密の守り方 2011年12月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 一筋縄ではいかない営業秘密の守り方
2011年11月 ジェトロより弊社レポート◎製品別の模倣品傾向と対策(2) が発行されました 2011年11月 ジェトロより弊社レポート◎製品別の模倣品傾向と対策(2) が発行されました
2011年10月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 「山寨」製品発生とその裏側 2011年10月 「Brosビジネス」への記事掲載 : 「山寨」製品発生とその裏側
2011年10月 アライジェンスが雑誌SPAで紹介されました 2011年10月 アライジェンスが雑誌SPAで紹介されました
2011年9月 ジェトロより弊社レポート◎製品別の模倣品傾向と対策(1) - 模倣品のビジネスモデルとは –が発行されました 2011年9月 ジェトロより弊社レポート◎製品別の模倣品傾向と対策(1) - 模倣品のビジネスモデルとは –が発行されました
tel
email
 
 
2014年3月 ジェトロより弊社レポート◎各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策 が発行されました

2014年3月 ジェトロより弊社レポート◎各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策 が発行されました

2014年3月 ジェトロより弊社レポート◎各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策 が発行されました

ジェトロ(日本貿易振興機構)よりアライジェンスの執筆した特約レポートが発行されました。

◎各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策
詳細記事は以下のリンクをクリックして、ご覧ください。
http://www5.jetro.go.jp/newsletter/guangzhouip/2011/countermeasure.doc

以下はその全文です。


各企業における模倣品被害の現状と認識、その対策

 

今回のコラムにおいては、JETRO、経済産業省、特許庁などにおける既存の調査レポートなどから調査結果を抜粋、引用し、中国における各日本企業の模倣品被害の程度や現状と企業の認識について比較し、それに対する各企業の模倣行為への対策の有無、程度、手法などを纏めたい。そこから様々な各企業の状況を参考にして、自らの現状と対策を比較、検討する材料となれば幸いである。

 

模倣被害の割合

模倣被害社数をアンケートに回答した総回答社数で割ると、24.6%である。日本企業全体の24.6%が模倣品被害にあっているという事であり、その6割近くは商標権での侵害を受けている。また半数近くがインターネット上での被害を訴え、インターネット上での被害の場合、商標権侵害は3割に留まる反面、意匠(14.3%)、著作物(13%)などの被害が多い。また複数回答の集計で被害を受けている企業のうち65%が中国での被害を蒙っていて、次いで韓国(23.0%)、台湾(22.3%)、タイ(10.5%)と続いており、前年度比で中国、韓国、タイでは被害が増加傾向にあり、アジア地域での模倣被害が引き続き深刻な状況となっている。

 

模倣品対策の実施率

模倣被害対策の実施率は、被害を受けている企業の47.6%である。対策を講じていると回答した企業数は年毎に増加している。

 

模倣被害総額

被害社の88.6%1社あたり3億円未満の被害を受けており、3億円以上の被害を受けた残りの11.4%の被害社が被害総額の88.8%を占めている。高額被害(被害額10億円以上)は輸送用機械(車輌)、産業機械、印刷物・フィルム等が中心で、一方、少額被害(被害額5千万円未満)では、産業機械、繊維等が中心である。尚、模倣被害額は、「侵害者の譲渡数量(販売数等)」×「権利者の製品の単位数量当たりの利益額」により算出している。

 

中国での模倣被害の傾向

製造都市・地域は、沿岸部を中心に広東省、浙江省、上海市での被害が大きく、経由都市・地域は、広東省、香港、上海市が上位を占め、販売消費都市・地域では、広東省、上海市を中心とした中国全域で前年比増加傾向にある。

また、各国における不正な権利の取得はアジア地域、特に中国における商標の不正な権利取得の事例が突出して多い。企業規模別の模倣品の内容は、大企業はブランド偽装の割合が非常に高く、中小企業は技術模倣の割合が比較的高い。尚、「技術模倣」とは製品技術や製品機能を権利者の許諾なしに模倣し、自社製品に取り込んでいるものを指す。

 

出現している模倣品の価格

模倣品の価格はデッドコピー品の場合、正規品の3割以下と答えた企業が全体の29%を占め、正規品の1割程度かそれより安いと答えた企業も10.3%あった。逆に正規品と同様もしくは8~9割程度の価格であると答えた企業は3.9%であった。真正品の半値以下との回答が過半数であり、真正品と模倣品が市場で競合する場合、真正品市場に大きな影響があることが推察される。

 

模倣品対策を始めるきっかけ

中国において模倣品対策をはじめるきっかけは企業により様々であるが、そのきっかけについて各社に取ったアンケートによると、「自社事業部門からの要請」(55.1%)を挙げた企業が最も多く、次には「販売会社」(34.6%)、自社トップからの要請(28%)やライセンシーからの要請(13.1%)などが理由に挙げられる。これらは社内や関連企業からの要請であると言え、過半数の企業が社内や関連企業からの能動的な理由により模倣品対策を始めていると言える。逆に、受動的な理由としては「取締機関・税関等からの連絡」(33.6%)や、顧客からのクレームがきっかけとなった企業(27.1%)も多い。調査会社や弁護士事務所などからの情報提供(19.6%)も理由として上がった。

 

模倣品発見のきっかけ

多くあげられる理由から順に、「代理店・ディーラーからの通報で発見」「インターネット上で発見」「店頭で発見」「顧客、得意先からのクレームで発見」である。自社内で定期的、組織的な模倣品監視が重要である事をうかがわせる。

 

模倣品対策の目的

模倣品対策の目的として重視するものについては、割以上の企業が、「ブランド・企業イメージの保持」、「自社正規ビジネスの売上・利益の確保」及び「消費者・顧客の保護・安全確保」を挙げており、次いで半数強の企業が「販売代理店等取引業者との良好な取引関係の維持」を挙げている。

このうち、模倣品・海賊版対策の目的として各企業が最も重視するものは、「ブランド・企業イメージの保持」(46.7%)が最も多く、「自社正規ビジネスの売上・利益の確保」(27.1%)及び「消費者・顧客の保護・安全確保」(22.4%)である。

 

模倣品対策の実施方針

模倣品対策は「模倣被害がなくなるまで徹底的に実施する」という企業は15.0%あるが、「予算の範囲内で可能な限り実施する」との企業が63.6%、「確実な成果が期待できる場合のみ実施する」という企業も38.3%ある。

 

模倣品対策の実施体制

模倣品対策担当者の設置は、専任のみ配置しているという企業が6.5%、専任と兼任の両方を配置しているという企業が15%で、専任担当者を配置している企業は合計割強にすぎないのに対し、約分のの企業で兼任の担当者のみを配置している。また専任担当者の場合、その担当者数は5名以上という企業が約4割あり、その内には10名以上という企業も8.7%あった。そして4名以下2名までという企業が約4割、1名のみの企業は約2割であった。

 

模倣品対策費用

模倣品対策の費用は、1千万円以下の企業が約半数を占めるが、1千万円を超える企業は割強となっている。億円以上の対策費を講じている企業も約7%存在し、企業の間で対策費用についてはばらつきがあることがうかがえる。

 

模倣品対策費用の推移

模倣品対策の費用は、4割以上の企業で増加傾向にあり、更に別の4割がほぼ横ばいとしているが、対策費用を減少させている企業は5.6%のみに留まった。各企業の模倣品対策への注力がうかがわれる。

 

対策の実施基準

模倣品対策の実施を判断する基準として、一番多く挙げられる理由としては、8割の企業が「純正品と混同しやすい」と、ブランドイメージの毀損リスクを理由にしている他、6割ほどの企業が「安全性に問題があり、使用された場合に消費者に危害を及ぼす恐れがある」としている。多くの企業が模倣品対策をブランド保護、消費者保護として必要な施策として認識している事がうかがわれる。

またその他に、「模倣品・海賊版の製造元を摘発できる」(61.7%)、「模倣品・海賊版の卸売業者を摘発できる」(47.7%)、「再犯事例である」(42.1%)、「被害発生国・地域でのエンフォースメントによる抑止効果が高い」(43.0%)、「業界団体等で共同して対策を実施できる」(33.6%)と、機能的に模倣品対策の実施基準を認識し、組織的な対策を組んでいる事をうかがわせる企業も多いといえる。

 

対策の全体的効果

模倣品対策から得られると想定される効果として、9割以上の企業が「模倣品・海賊版の減少」を、8割強の企業が「ブランド・企業イメージの保持」を効果として認識している。そのほか半数近くの企業が、「正規品市場の拡大」「売上高・シェア・利益の増加」「消費者の安全に関わるリスクの回避」「企業の社会的責任への対応」を効果としてあげた。その他「販売代理店等との関係の維持・改善」が4割弱、「損害賠償金の獲得」を効果としている企業も2割ほどあった。

 

対策の手段別に考えた、それぞれの効果

模倣品対策としては、「国内外での知的財産権の取得」(81.6%)が最も多く、次いで「模倣品の製造業者・販売業者への警告」(31.0%)、「製造業者の調査」(28.5%)であった。これら手法の効果が認識されるのは、「国内外での知的財産権の取得」(68%)、「模倣品の製造業者・販売業者への警告」(71.5%)、「製造業者の調査」(51.7%)である。「行政機関による取締」「民事訴訟」は7割以上の企業が効果的であると認識しているが、実施しているのは6-7%ほどのみである。同様に「代理店等取引業者と模倣品を扱わない旨の契約を結ぶ」事も7割以上の企業が効果的であると認識しているが、実施しているのは4.8%のみである。

 

対策実施後における売上高の推移

被害が発生して対策を行なう前には2割弱の企業が売上高の減少を認識していたが、対策後には売上高が減少している企業は3.7%に留り、逆に、売上高の増加を認識する企業は模倣品対策前には4.7%であったのに対し、模倣品対策後には7.5%と割合が増加している。尚、被害が発生して対策を行なう前にも後にも3割強の企業が売上高の変化は不明であり、これは模倣品対策の効果の測定が難しいことを反映していると考えられる。つまり、この点に客観的な評価を加える事が出来れば、模倣品対策の効果をより認識できると考えられる。

 

以上、模倣品の現状や、対策の手段と効果についての各企業の認識を整理した。各企業は自社の目的やその置かれている状況に合わせて対策手法や、費用、組織体制、効果測定指標などを選択・活用することが望ましいと考えられる。

 

(引用・参考)

20113月 特許庁「2010年度 模倣被害調査報告書」

平成 21 月 経済産業省「模倣品・海賊版対策の企業経営・社会に対する貢献の分析に関する調査研究」

平成18年 特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル」

 

(執筆・文責)

アライジェンス コンサルタンツ 有限公司

知才商務咨詢有限公司

Alligence Consultants Co.,Ltd.

http://www.alligence.jp

  
footer
サイトマップ  |  お知らせ
Copyright(C) 2004-2014 アライジェンス コンサルタンツ有限公司 All Rights Reserved.  粤ICP許可証編号:14005325号