2012年2月の 「Brosビジネス」へ下記の通り弊社の記事が掲載されました。 中国知的財産権最新ニュースの傾向 中国における知的財産権関連の話題は日進月歩である。数年前までは知的財産侵害行為や中国政府対応の遅れなどが取りざたされたニュースが中心であったが、近年では中国が特許・商標権登録数で世界各国を上回る、中国企業が外国企業に対し知的財産の侵害を訴えるというようなニュースが増えている。 ■中国における日本文化が解禁。日本アニメが正規配信され中国で大ブーム 2011年末にテレビ東京が中国の動画サイトの「土豆網」と提携したのを初め、各社が中国における動画サイトと提携を始めている。配信されているのは「NARUTO」「BREACH」「銀魂」「君と僕。」「プリティーリズム」といったアニメで中国でも人気があり、話題を呼んだ。非合法動画が氾濫している状況において、動画サイトに配信権を購買させるという戦略は優れていると考えられる。動画サイトは自社の利益保護の為に同業他サイトをけん制、訴えたりする動機がはたらくからである。 2012年1月10日「JB PRESS」など ■テレビ東京、優酷に海賊版アニメを削除するよう再度「警告」 テレビ東京は、海賊版を発信している動画配信サイトに対し、警告書を送付。書状を受け取ったウェブサイトのほとんどは、積極的に協力する姿勢を示し、違法リンクを削除した。しかし、優酷網などごく一部の動画配信サイトは、それを無視、権利侵害に関する告知を受け取った後も、堂々と海賊版の配信を続け、テレビ東京は「優酷の軽視に驚き」を表明。 2011年12月20日「チャイナネット」 ■中国の動画サイト アニメ著作権の争奪戦へ 中国の映画やドラマの著作権料は中国の動画産業支援計画や動画サイトの人気に伴い、5年で300倍にまで高騰している。中国の各動画サイト運営社は近年こぞってアニメチャンネルを立ち上げ国内外の作品著作権の大量買占めに走っている。 2011年12月2日「人民網日本語版」 ■アップルが海賊版書籍流通を支援と作家団体が訴訟 iPhoneやiPad向けのアプリを販売するオンラインショップ「app Store」が海賊版の温床になっていると中国の作家権利擁護連盟が訴訟。厳しい審査で知られるapp storeだが、それは性的表現の有無などにとどまり、海賊版問題については無頓着だという。賠償金額は計1200万元にもなる。 2012年1月9日「KINBRICKS NOW」 ■中国の百度、米国が知財権めぐる「悪名高い市場」リストから除外 百度は7月、ユニバーサル・ミュージック・グループ、ワーナー・ミュージック・グループ、ソニーの3社と音楽プラットホーム上の著作権所有者への支払いで合意し、それを受けた米通商代表部(USTR)は知的財産権を侵害する海賊版や模造品を容認しているとする「悪名高い市場」リストから百度を外した。USTRが昨年5月に発表した報告書では、百度は「ディープリンク」を利用して買い手を誘導し、著作権を侵害する製品を買わせる最も突出した例だとされていた。一方大手ECサイトの淘宝や北京にある秀水市場、義烏の小商品市場、深センの羅湖商業城などはリストに残った。また「米側の一方的な基準制定は不合理」という専門家の見方もある。 2011年12月21日「ブルームバーグ」、12月23日「人民網日本語版」 ■2011年の中国の特許申請件数が米国と日本を抜き、世界一に 世界知的所有権機関(WIPO)が発表した「世界知的所有権統計」によると、2011年の特許出願件数は受け付け国として中国が初めて米国、日本を抜き、世界1位となった。29日付で新華網が伝え、次のように指摘した。「中国のエネルギー需要、生活水準がともに高まっている。中国は他の先進国を手本に米国式の消費文化を模倣し、日用品や家電などの大量消費を始めた。中国にもはや経済の奇跡は起きない。生活水準、労働コストは上昇しており、世界市場における中国製品の競争力は低下するだろう。今後は生産能力の集約、生産効率の向上、独自製品の開発が必要になる。」しかし中国による特許申請が世界一になったのは、中国政府が「役に立とうと立つまいと申請しろ」とハッパを掛けたからだと指摘する専門家もいる。申請をするだけして質や内容の乏しいケースも多いという。 2011年12月31日「レコードチャイナ」、12月29日「新華網」など ■中国の欧州での特許出願は先進国上回る年1.2万件 ■中国の商標出願・登録件数は世界最多 中国における商標登録出願審査件数は2011年度において11月末までに計107万4903件に達し、10年連続で世界一になる見込み。マドリッドプロトコルを通じた外国の出願人による中国での商標登録出願数は1-11月で1万5592件、累計16万5616件で、7年連続で世界最多を記録した。 2011年12月「人民網日本語版」など ■ルービックキューブ、再流行の裏に中国の高性能模造品 最近タイで開かれたルービックキューブ世界大会で、6面を平均8.65秒で揃えた優勝者はスピードを上げるために作られた中国製の模造品を使っていた。 2011年 12月 16日「WSJ」 ■鎮江香醋、日本で商標登録 鎮江香醋が日本で商標登録を行った。「鎮江」は中国の地名であり日本が海外の地理的表示・地名等に関わる商標を保護するのは今回が初。地名を商標と認めるかどうかには各国議論があり近年、中国では「青森」など日本の地名が冒認登録され問題となっているが「鎮江」は特殊な伝統技法により生産され、独特の風味を持ち、国内外市場で人気が高いことを受けての登録となった。 2011年12月14日「人民網日本語版」 ■「クレヨンしんちゃん」商標を使う中国食品大手が香港で上場へ 漫画「クレヨンしんちゃん」の中国語名「蝋筆小新」を、スナック菓子など製品の商標として使っている食品大手、中国休閑食品集団が9日、香港証券市場で上場する。同社が権利を有する「蝋筆小新」は過去日本の本家双葉社がその権利を争ったが、主張は退けられている。 2011年12月1日「MSN産経ニュース」 ■アップル:中国大陸部でのiPad商標取得に失敗 ■iPad商標で中国企業 アップルに100億元請求へ 2011年12月5日、アップルが「iPad」の商標権を侵害されたとして広東省深セン市のIT企業「唯冠科技」を提訴していた訴訟で、アップル側の訴えを棄却する一審判決を言い渡した。 アップル側は09年、各国で「iPad」を商標登録していた被告会社と同グループの台湾企業から、3・5万ポンド(約420万円)で全世界の商標権を譲り受けることで合意した。ところが、唯冠科技は2001年に独自に中国本土における商標権を取得しており、アップルの全面敗訴となった。さらに唯冠科技はアップルに対し、商標権を侵害されたとして、100億元(15億ドル)の損害賠償を求める訴えを起こしている。 2011年12月8日「AFP」など ■ジェトロなど、中小の知財保護支援-海外模倣品被害を回避 中小企業の海外進出が盛んになる中で、日本貿易振興機構(ジェトロ)は中小企業の商標が中国や米国など5カ国で他者に先に登録されていないかを調べるサービスを提供。専門家が中小企業にアドバイスする事業を始めた。 2011年12月02日「日刊工業新聞」 |